ションダ・ライムズは、「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」「ブリジャートン家」「令嬢アンナの真実」など、数々のヒット作を手掛けたショーランナー、脚本家、テレビプロデューサーです。
私は上記で挙げた三作とも好きで、ションダ・ライムズのファンでした。ションダ・ライムズの作る物語は、王道でありながらもどこか新しさが感じられて、さらに女性のキャラクターがみな賢くて、強くて、かっこいい……こんな作品を書いてみたい! と憧れの気持ちでションダ・ライムズの作品を追っていたところMasterClassというオンラインコースで、ションダ・ライムズのレクチャーが受講できると知って、さっそく受講してみました!
以下は、ションダ・ライムズの講義のポイントを自分用にメモしたものになります。
個人的にとてもためになったので「ションダ・ライムズの脚本が好き! ションダみたいな脚本が書きたい」という方や、「ハリウッドの脚本家の講義に興味があるという方は、ぜひチェックして頂ければと思います。
目次
ションダ・ライムズの脚本術:書き方の指針
★説得力があって、真実味があるキャラクターが、説得力のある行動を「オリジナルな方法で」する
★書き始まるまえに、「それはほんとうにオリジナルなアイデアか」を考える。このシーン観たことある……はNO! Do something original!
★何が主人公にとって最高のシナリオか、を考えて主人公に試練を与える
★「主人公の秘密」を理解、設定しておく必要がある
★キャラクターの脆弱性、弱みも書く
★平坦なストーリーは誰も望んでいない
★次の日、夕食で、「どう思った?」と話したくなるようなストーリーを作る
ションダ・ライムズの脚本術:記憶に残るキャラクターを作る方法
・Fakeに見えない、実際の人間の行動に見える行動をとらせる
・女性をバカっぽく描かない。世の中の映画やドラマは、女性を過度にバカに書きすぎている
・Rethink(もう一度考える)……とくに、性別や人種など、固定観念にとらわれていないか検討。少し変えるだけでユニークなキャラになるかも
・アクティブなキャラクターにする。受動的なキャラクターはNG
・ナチュラルにキャラクターを進化させていく。キャラクターはストーリーのなかで変化していくもの
・キャラクタージャーニーにフォーカスする。キャラクターが何を求めているのか、明確にする
ションダ・ライムズの脚本術:作品を売り込むコツ
・作品をテレビ局に売り込むときは、「めちゃくちゃ感動的」「かなり面白い」「とんでもなくロマンティック」など、ウリを明確にして伝える
・グレイズ・アナトミーをテレビ局に売り込んだときは、「セックスと手術」という「SEX AND THE CITY」を想起させる言葉と使ってどんな市場を狙うのかを明確にした
ションダ・ライムズの脚本術:基本の脚本の構造
一時間ドラマには基本的に5つのACTがある。
ACT1
・キャラクターをエキサイティングな方法で紹介する
・観客を惹きつける
・どんな世界なのかを紹介する
・キャラクターや世界の問題点を見せる
ACT2
・問題がエスカレートする。
ACT3
・最悪なことが起こる
ACT4
・タイムリミットが迫って来る
ACT5
・キャラクターに勝利が掴む。
ポイント
・一つひとつのACTがどこで終わるのか、どこに向かうのかをしっかり把握しておく
・「わあ!おどろいた」「面白い!」がアクトの終わりにくるようにする
ションダ・ライムズの脚本術:脚本を書くために効果的な習慣
・創作のプロセスは筋肉のようなものだと考える。鍛えれば鍛えるほどよい
「私にとって、書くことはランナーになることにとても似ています。もしあなたが毎日走らなければ、走るのは難しくなるでしょう」by ションダ・ライムズ
・書くための手助けとなる儀式を見つける。たとえば、ノイズ・キャンセリング・イヤホンをしたら、即書き始める……とか
・スケジュールとデッドラインを決める!
・ライターズ・ブロック(ものを書く人によくある、書けなくなって行き詰る状態)になったら……いったんおいておき、ほかのプロジェクト・作品にとりかかる!
ションダ・ライムズの脚本術:脚本を編集する
・脚本を声に出して読んで、演じてみる
・プロットに影響がない行動はカットする
・脚本を第三者に読んでもらいフィードバックをもらいたいときは、説明したり謝ったりせず、事前情報ゼロで渡す
ションダ・ライムズの脚本術:ドラマや映画の脚本家になるためにするべきこと
※ハリウッドのケースなので、日本の参考にはならないかもですが、一応メモします。私の周りで脚本家になった人のルートはコチラの記事にまとめました。
・フィルムスクールの学費は、現在高騰しているので、学校にいけない人も多いだろう。その場合は、テレビ局のライターアシスタントとして職を得るか、それができなければ、テレビ局のコピー係とか……なんでもいいので、とりあえず現場の近くで職を得る
・同じ志を持つ仲間とネットワークを作り、情報交換する
・オリジナルの作品を作って、「自分自身の声」「作風」を知らしめる
・何があっても書く。業界の人々は良いライターをいつも探している。いいものを書けば目に留まるチャンスはやってくる
ションダ・ライムズの脚本術:チームで脚本を作るために大切なこと
・仲間の脚本家はライバルではなく仲間。皆を助けるような行動をとること
・優しい人間であることが大切
・「ここは私がいるべき場所じゃない」「他の人はみんなベテランだし……」など萎縮する必要なし! その場にいるということは、あんたがその場にふさわしいということ。自信をもって!
ションダ・ライムズの脚本術:ライターとして生きるには?
・「ライター」とは毎日書く人のこと。10分でもいいから毎日書く!
………以上が、ションダ・ライムズのMaster Class「Teaches Writing for Television」で私が「これは覚えておかねば!」と思いメモした、メモした一部です。
こちらのオンラインコースは、様々な脚本家のコースが受け放題で一年間一万五千円くらいだったかな? 値段はコースによって変わるので、気になった方はサイトをチェックしてみてください。
個人的には、ションダ・ライムズが脚本を作る際のリアルな話が聞けてとても勉強になり、満足感が高かったです。(基本的にレクチャーは英語で、英語や日本語の字幕をつけてみることができます。ですが、日本語の字幕のクオリティが低いので、英語がある程度わかる人にしかおすすめできません)
Master Classではションダ・ライムズだけでなく、アーロン・ソーキン(ソーシャル・ネットワーク)や、ジャド・アパトー(40歳の童貞男)などのクラスも受講したので、機会があれば、また学びをシェアしていきたいと思います。
さてと、10分でもいいから脚本書くぞー!
Master Classの存在は知りつつもこれまで受講していなかったのですが、どうにも心が惹かれてきましたw
ぜひまた機会があればシェアしてください😍
こちらの記事とても面白かったです!自分も「グレイズ・アナトミー」が大好き(特に初期)だったのですが、脚本家の方がこんな指針を持っていたと知ることが出来、とても新鮮でした! 「次の日、夕食で、「どう思った?」と話したくなるようなストーリーを作る」というのはまったく考えたことのない視点だったのでw、机の前に貼って意識してみようと思いました。
他の記事もじっくり読ませていただきます!